2011年07月03日
過剰な責任感
様々な性質を持つアダルトチルドレンですが、そういった要因の重なりもあり、責任感が非常に強いという面も見られます。ただ、これも能動的、ポジティブな考えに起因するものではなく、自己への過剰な期待、他者からの評価に対する過剰な恐れが要因と言えます。自分がこれをできないはずがないという期待と、これをもしできなかった時に自分は周りから低く見られるという不安が、責任感となっているのです。もっとも、誰でもそういった心理は持ち合わせており、世にある一般的な責任感の概念はそういった感情が少なからず生み出しているものではありますが、アダルトチルドレンの場合はそれがあまりに過剰なのです。日本の現代社会において、よく若い人に対して「自分から発言したり何かしようとしたりはしないが、言われた事はキチンとやる」という内容の評価が下されますね。こういったタイプの人が今の若い人には多いという認識を持っている中高年の人も多いのではないでしょうか。特に、教育の立場にいる人は、これを間近で感じているかもしれません。これも、ある意味現代社会にアダルトチルドレン、あるいはその予備軍が増えた証拠なのかもしれません。言われた事はキチンとやるというのは責任感の表れでもあり、同時に前述したアダルトチルドレンの傾向にもあてはまるからです。そうする事で恐れや不安を取り除き、精神的な安定を図ろうとするという事ですね。こういった事は、健常者でも普通に思うものです。ですが、アダルトチルドレンと呼ばれる人の場合は日常生活に支障を来すくらい、過剰な責任感で精神を安定させようと試みるのです。
Posted by 西田 結衣 at 21:37│Comments(0)